この話は、手術前と手術後の2回のブログで書いており、、私の手術後の目の保護のためのゴーグルをかけた写真は、シリコンバレーの友人たちに「そこまで見せるか!」とあきれられたくらい有名です(自分で見ても、いまだに笑えます)。
それから、早一年が経ちましたが、私のLasikPlus手術の影響は、大きかったらしく、実際に2人の知人が、すでにDr.Simonの手術を受けて、 眼鏡・コンタクトレンズフリーになっています。彼らも以前からLasikのことは考えていたけれども、手術を受けるトリガーがないままでいた中、私の体験 を知り、すぐに私に連絡して、その日のうちにドクターのアポイントメントを取っています。費用は私の場合で約3,000ドルかかりましたので、私の体験談 が6,000ドルのセールスをDr. Simonにもたらしたことになります。
これがインフルエンサーによるWOM (Word of Mouth:クチコミ)の凄さです。日本の友人・知人、上記2人以外の米国在住の友人知人からも、いろいろな問い合わせがあり、自分の体験に基づくブログがWOMを創出して、大きな影響を与えたことを改めて、実感しています。
現在は「情報のBig Bang状態」で、一般消費者はどれを信じていいのか、わからないのが実情です。そうした状況下で、最も信頼できるのは、自分が個人的に知っている人で、 常にいろんな情報やナレッジを持っていて、それを属するコミュニティでシェアしようとする人、それが「Peer Influencers(ピアインフルエンサー)」です。米国では10人に1人いると言われており、「情報のGate Keepr(門番)/情報のろ過装置」の役目をしています。人は自分の信頼する人の言葉によって、すぐに意思決定して行動に移します。これが「インフルエ ンサーによる深度のある影響力」で、広告や単なるバズが認知レベルのリーチでとどまり、意思決定や購買行動まで影響を及ぼさないことと大きく異なる点で す。
これをWOMM (Word of Mouth Marketing)として活用した場合のポイントは、以下です。
1)ターゲットユーザの中で、インフルエンサーを発掘して、リクルートする。
2)インフルエンサーに、製品を体験させて、彼らがその製品と感情的な結びつき(=Bonding)ができるような仕組みをつくる。
3)インフルエンサーに、その製品とのBondingの話を、他に広める「ツール(私の場合はブログ)」を与える。
4)さらに、インフルエンサーがWOMすることの動機付けのために、友人に紹介・説得した際に、何らかの報酬や満足感(これは金銭ではなくむしろ製品、あるいはドネーションなどの社会還元型のもの)を与える
LasikPlusは、ビジネスとして、私に上記のプロセスを踏んだWOMMで、アプローチしていないので、私のストーリーはOrganicなWOMを創 出しただけで、Umplifiedされるためのマーケッターの手は何も入っていません。視力矯正手術のように、高額で潜在ユーザが「手術への恐れ」という 大きなバリヤを持つ製品やサービスは、このWOMMの手法をうまく活用することが、最も効率的で顧客獲得率の高いものだと思います。
自分がインフルエンサーの資格があるかどうかは、またその定義によって、論議のあるところですが、体験主義の私のストーリーは、私が属するコミュニティの間で「Social Currency(社会的な通貨)」として、多く流通しており、どうやら信頼されているようです。