父を18年前に亡くしている私にとって、母は非常に重要な存在で、彼女が去った後は、「お母さん、親孝行する機会を与えてくれて、ありがとう」、という気持ちでいっぱいになります。
ただし、あまり感傷に浸っている時間もなく、昨日の午後からエンジン全開で仕事を始めています。ブログレス状態が長く続いて、「怒涛のブログ更新をやる」と宣言したにもかかわらず、やっていない私ですが、怒涛までいきませんが、ちょこちょこしていきます。
7/6に公開された日経BPのネットマーケティングの私のコラム「米国ネットのざわめきを聴く」で、6/29に発売された「iPhone」に関する記事を書きました。日本出張から戻ったこの週は、米国、特にシリコンバレーでは、まさに「iPhone狂想曲」と言えるほどの大騒ぎでした。詳細はコラムで読んでいただきたいと思いますが、改めてSteve Jobs(スティーブ・ジョブズ)の天才マーケッターとしての腕に感心しました。
今日の新聞によると、、RBC Capital Marketsは、2008年末までに、iPhoneは1400万台まで売れると予想しており(アップル自身の予測は、400万台)、さまざまな課題(価格や性能)をかかえてながらも、、「携帯電話・iPod(モバイルメディアプレーヤー)・インターネット接続」という「現代の三種の神器」の機能を持つ、超スーパーブランドiPhoneのローンチングは大成功のようです。
- アップル:発売開始2日間で50万台を販売
- アップル:木曜日の時点で95万台を販売
- アップルの165の小売店舗:一週間でほとんどが売りきれ
- AT&Tの小売店舗: 24時間以内で売り切れ
- アップルの165の小売店舗:今は70%のストックあり
このセールス面での成功も重要ですが、今回のiPhoneは、アップルマニアの開発者コミュニティのサポートも期待できる製品開発状況です。
7/6の夕方から7/8の週末にかけて、iPhoneの開発のためのキャンプ「iPhoneDevCamp」が開催されました。200名以上のエンジニア、デザイナー、アントレプレナー、iPhoneオーナーといったアップルマニアが実際に集合して、自主的にこのオンリーワンデバイスがどうしたらより良くなるかをディスカッションしています。運営もすべてボランティアワークで、Adobe Systemsはサンフランシスコのオフィススペースを無料で提供し、Yahoo!やその他の企業も食事や飲料、TシャツやiPhone関連アクセサリを提供するなど、シリコンバレー的なカジュアルでルース(ゆるい)なムードで話し合ったようです。
オープンソースのよさを活かしながら、「自分たちのiPhoneを良くする」というムードに満ちたこのキャンプは、21世紀的なスーパーブランドをつくりあげるために、非常に重要なムーブメントといえます。秘密主義で有名なアップルが、「門戸開放」ともいうべき態度で、iPhoneを開発・向上させようとしていることは、まさに時代を反映した新たなAttitude(姿勢)です。マーケティングも含めて、今後の企業活動はユーザや外部の支援者なしに成功はありえません。究極のWOMM (Word of Mouth Marketing:WOMマーケティング)のマエストロであるスティーブ・ジョブズは、誰よりもそれを熟知しているようです。