コーポレイトガバナンスが死語になったとと思われるぐらいに、1990年代後半から2000年初頭にかけて、多くのWhite Collar Crime(ホ ワイトカラークライム)が起きましたが、その中でも会社のお金でとてつもない贅沢な暮らしをしていたのが、このコズロウスキーです。彼は、妻のカレンの 40歳の誕生日に、地中海のサルディナ島で、200万ドル(2億3,200万円)の古代ギリシアのトーガをまとった大パーティをしたので有名です。この パーティの模様は、今でもオンラインヴィデオで見られます。
コズロウスキーは、元CFOのMark Swartzとともに、合計6億ドル(696億円)を横領しており、彼個人は1億67,00万ドル(193億7,200万円)の負債返済を抱えています。 彼は1,700万ドル(19億7,200万円)で購入したNYマンハッタンの高級コンドミニアムを、負債返済のためにすでに売却しています。彼の異常なお 金の使い方は、そのコンドミアムに使った以下の数字を見るとわかります。
コンドミニアム購入金額: 1,700万ドル(19億7,200万円)
・300万ドル(3億4,800万円)のアップグレード費用
・1,100万ドル(1億2760万円)の家具およびインテリアデコレーション
インテリアデコレーションの中で特筆すべきもの
・6,000ドル(69万6,000円)のメイドのバスルームのシャワーカーテン
・1万5,000ドル(174万円)の傘たて
・1万7,000ドル(197万2,000円)の旅行用のトイレットボックス
・5,960ドル(6,913円)のベッドシーツ(2セット)
・6,300ドル(7,308円)の裁縫バスケット
この中でも、特に有名なのが、6,000ドルのシャワーカーテンです。我が家のシャワーカーテンは、20ドルにも満たない安ものですが、シンプルで機能的 で、4年ぐらい使っていますが、何ともありません。我が家のカーテンの300倍の価値のあるシャワーカーテンとは、どんなものか、興味はありますが、絶対 に買いたくありません。
このコズロウスキーは、Boca Ratonと いうフロリダのリゾート地にも会社から利子なしのローンで、3,000万ドル(34億8,000万円)の高級邸宅を所有しており、そこに住む妻のカレン は、自身の資産を守るために、離婚申請に踏み切ったようです。彼女は、離婚によってコズロウスキーの資産の半分と生活費の援助を獲得して、彼女の資産が負 債返済金に回らないようにするために、申請しています。
彼女は、1990年代に高級レストランでウエイトレスをしていた時代に、コズロウスキーと知り合い、お互いに離婚した2001年の5月に結婚しています。 コズロウスキーは、その後フロリダに、彼女ためにレストランを購入して、経営させています。彼との結婚によって、プライベートジェット機で、世界を駆け巡 るJett-Setterとなったカレンですが、皮肉なことに、彼と離婚することによって、その獲得した地位を守らなけれならない羽目に陥ったようです。
一般常識から考えたら、誰でも、自分の誕生日に、亭主が200万ドル(2億3,200万円)を使って、パーティを開くと言ったら、「あんた、アタマがおか しいんじゃないの?」、と言うはずです。しかも、コズロウスキーは、パーティに多くの会社のエグゼクティブが参加するから、これは会社が費用を出すと言っ たというのですから、開いた口はふさがりません。
20ドルのシャワーカーテンしか知らない私ですが、その満足度は、多分6,000ドルにひけをとらないと思います。この2人のストーリーを聞くと、お金の意味は、本当に人によって、全然違う価値をもつんだなと、実感します。
今、シリコンバレーは、ストックオプションのバックデイトのスキャンダルや、バブル的なWeb2.0のばか騒ぎなどで、人の強欲さが目につきます。普通の庶民感覚を失うぐらいに、ばかげたお金をそういった人に払うのは、やめて欲しい、と思わず、怒鳴りたくなります。