「Locavore ( Local Comsumption)」: 地元でとれる製品を買う消費者
Bill McKibbenの書籍「Deep Economy: The Wealth of Communities and the Durable Future」によると、平均的なアメリカ人家庭の食卓に食事が並ぶまで、食品は1500マイルの旅を続けているというデータが出ています。こうした状況に疑問を持ち、全米レベルの52の小さな街やシティに住む市民が、「Local First」というキャンペーンを展開して、地元で取れる食品を買うアクティビティが起きています。これに限らず、地元で取れる製品に、お金を使うという動きはさまざまなところで起きており、Locavoreが主催する団体やブログもあり、確かにこの動きはトレンドとして、今後大きくなっていきそうです。
私もすでに、この小さな島Alamedaに越してきて以来、食品に限らず、衣料品その他、地元で入手できるものは、全て島の中のお店やビジネスで購入して、ナショナルブランドやチェーン店での買い物は避けています。近所の果物と野菜を売っているDan's Fresh Produceというお店は、値段も手ごろで、このエリアで取れる新鮮な食品がたくさん並んでおり、ついついいろいろ買い込んでしまいます。果物や野菜は「足が速い(すぐに熟してだめになってしまうという意味。うちの実家は果物屋でしたので、父はこの言葉をよく使っていました)」ので、熟して今日食べないとだめになるモノは安くしてくれるし、お買い得です。また、オーナーのDanは、雑誌に食品に関するコラムを書いたり、ラジオのホストとして、果物や野菜に関するレギュラーのトークショウもオンエアしたりしており、地元の新鮮な食品消費の啓発に力を注いでいます。
我が家は自宅でトマト、キュウリ、レタス、ブロッコリー、チャード、ガーリック、ストロベリーを植えていますが、自宅ガーデンの栽培だけでは自給自足というわけに行きませんので、しょっちゅうDanのお店に行きます。
こうした傾向は単なる流行で終わるとは思いません。市場が成熟し、マスプロダクションに疑問を持ち始めて、製品に関する目利きが出来ている現在の消費者は、Wall-Mart的な安ければいいという発想から、徐々に離れて行っています。また、現在はテクノロジーとインフラによって、多くの人たちに自分の信じることやよいと思ったことを伝えることが可能で、これはWOM (Word of Mouth:クチコミ)として広範囲に広がって、結果マスメディアやメインストリームの注目をひいて、どんどん拡大していく傾向があります。こうした地元支援の動きは、Tipping Point(臨界点)がまだ来ていないかもしれませんが、近い将来来る可能性は高いと、私は実感しています。
Malcolm Gladwellの有名なベストセラー「The Tipping Point: How Little Things Can Make a Big Difference」にも書かれていますが、小さなことが大きな変化をもたらす、これを信じて、実行していくことが大切です。