私のパネルディスカッションは、この発表に押されて、30分遅れて、17時予定が17時半からスタート。パネリストの佐々木さんが次の予定があって、18時10分ごろまでしかいられないということで、波乱万丈の幕開けでした。皆さんの自己紹介を兼ねたSNSやソーシャルメディアのご意見が一巡して、すでに時計は18時近く。米国では50歳から64歳のネットユーザの47%がSNSを普通にユーティリティとして使っているというトピックスを、ディスカッションし終わった頃、残念ながら佐々木さんが退席されました。佐々木さん不在ながらも、「ソーシャルメディアの三天王(江端さん、長澤さん、横山さん)は私の投げる球を緩急自在に受け止めていただいて、無事に終了しました。内心しゃべりすぎたかなと冷や冷やしていましたが、「ファシリテイトが男前で惚れる」という私の本質を突いたコメント(笑い)もあり、オーデェンスの方には喜ばれたようです。
米国では、すでにCLO(Chief Listening Officer)、CPO(Chief People Officer)、CCEO(Chief Consumer-Engagement Officer)といった、ユーザとのコミュニケーション注力する責任者が経営レベルに存在します。これは、従来のマーケティングや広報、セールス、カスタマーサービスといった縦割りの担当者レベルでは、ソーシャルメディア及び様々なタッチポイントにおける、ユーザとのエンゲージメントに対応できないという危機感から発生した考えです。ソーシャルメディアを活用してマーケティングする場合、こういった企業側の全社的で長期的な取り組みと、さらにそれを支えるコミュニケーション戦略のアーキテクトとしての役割がマーケティング会社に求められています。ディスカッションでも、それはすでに皆さんが十分実感していることで、実現へのトライアンドエラーがこれから急務だと言われていました。
ユーザがすでにソーシャルメディアを大いに活用して、その影響力を駆使してエンジョイしている以上、企業もそこに行くべきです。また、コミュニケーションのプロのマーケティング会社も企業のパートナーとして、積極的にイノベイティブな戦略開発及び実行していくべきです。米国では「習うより慣れろ」っていう感じで、「走りながら考えて」います。日本もそれはできるはずですし、mixiの動きに代表されるように、どんどんこうした考えに基づく流れは広がっていく、それを実感したコンファレンスでした。