今回は、私にとって特別の意味を持つ日本行きです。理由は、米国移住以来初めて、母をサンフランシスコに連れてこられるからです。母にとって、今回が初の 海外旅行で、11年間ずっと誘い続けた結果、やっと決心してくれました。彼女が固辞していた理由は、「ひさみが仕事で忙しい時に米国へ行って足手まといに なるのは嫌だ」という理由でした。決心した後、母はパスポート取得のために、一気に本籍まで移して(自由が丘から国分寺市)は、手続きに走り回りながら、 大いにボルテージをあげており、気分はかなり「ハイ」になっています。
今回の来日の目的は、6/12開催のMMC2006 (Mobile Marketing Conference)のコンファレンスのパネリストとしての参加です。昨年は、太平洋半分横断セーリング航海のために、ライブで東京に来ることができず、ビデオで参加しましたが、今年はライブ出演で、1500名のオーディエンスの前でのお話となります。今も当日のプレゼンテーションの原稿の手直しをしています。
最近は、すっかりWOM (Word of Mouth)を活用したオータナティブなマーケティングの 戦略開発実施にフォーカスしている私ですが、クライアントは日本企業のために、実際は常に日米間の「ビジネスの体温の違い」に四苦八苦しています。すでに 滞米生活は11年を超えて、米国人血中濃度がかなり高い私にとって、この「体温差」を感じると、「あーまたか」と右肩の凝りを覚えます。
日本の企業とのミーティングで最も頻繁にでて来る言葉は以下です。
「上が理解できない」
「社の方針だからしょうがない」
「どうやって社内を説得するか?」
「前例がないので」
こうした言葉が出てくる背景には、
・日本ではプロジェクトの「担当者(Contact Person)」がいても、
・「責任者 (In charge of, or Decision Maker)」はいないという実態です。
米国式がすべて良いわけではありませんが、この日本式の「担当者」とビジネスをすると、とにかく「社内調整という妖怪のような責任の所在が不明なモノ」に時間がかかり、米国側のプロジェクト参加者の「Momentum(モメンタム:勢い)」を失うことがしばしばです。
東洋にも「一気呵成」という言葉があるように、物事を成し遂げるには「スピードと勢い」が重要です。それがあれば、多少の困難や課題も、みんなの「気」の 集合体が、思いもよらないほどの力を生みだしし、物事を成就できます。私自身、「思った瞬間に、すでに言葉が口から出て、身体も同時に動くタイプ」で、意 思決定が異常に早い性格です。モメンタムをそがれることは、こうした私のアドバンテージをそがれることも意味し、やりにくくなることがしばしばです。
初の米国訪問に意欲を見せる母を見ていると「モメンタムと一気呵成」という言葉が浮かび、彼女のアドレナリンの上昇を、ひしひしと感じます。母の2週間の 米国滞在中は、仕事をしながらでも、母にきちんと親孝行できるように、私のアドレナリンも大いに上げて、楽しみたいと思います。
コンファレンスでは、「よーし、目いっぱいエネルギーを放出するぞ!」という気分です。
しかし、日本は蒸し暑い!!また、蚊にも刺されてしまい、思わずキンカンをつけました。これは効く。