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ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



Obama(オバマ)大統領の「State of the Union Address(一般教書演説)」を聞いて...

1/28/2010

 
スピーチのキーワードは以下です。

Job(雇用) 24, Economy (経済)14, Goverment(政府) 12, Deflicit(赤字予算) 11, Green energy(グリーンなエネルギー)10, Reform (再建)10, Banks(銀行) 8, Change(変革) 7, Taxes(税金) 7, Small business (スモールビジネス)7, Health Care(ヘルスケア) 6, Gay(ゲイ) 1

このキーワードを見れば、大統領がこのスピーチで米国民に語りたかった問題の優先順位が良くわかります。「雇用創出」、これが2010年の最も重要な解決すべき課題で、そのための具体策の1つとして、7000億ドルのTARPから300億ドルの資金をコミュニティの銀行に移し、スモールビジネスがローンを借りられるようにすると発表しています。上院・下院の民主党および共和党には、耳の痛い言い方で、「ワシントンは毎日が選挙」という態度を改めて、問題を解決する責任を果たすように、訴えました。

大統領はいつも非常にクリアに言葉を発音します。このスピーチも、平易な表現で、米国が抱えるさまざまな問題をユーモアを交えて、わかりやすく説明しているので、ぜひじっくり腰をすえて聞いてみてください。米国の抱える問題や考え方が、自然に頭に入ってきます。私も驚きましたが、レポーターもここまでカジュアルでユーモアを交えた一般教書演説は、過去の大統領には例がないと、その印象を語っています。

「Dr. No(すべての大統領の政策に反対する)」と化した共和党も、大統領が「米国はNo2のポジションを受け入れることはできない」と訴えると、両党から「We're number one! We're number one! We're number one!(我々はNo1)」というチャントとスタンディングオベーションが生まれました。他の国からは見ると、傲慢な米国的な態度と思われるかもしれませんが、私から見ると「若者のOptimsmの反映」といった印象で、世界の中で誰かがこのナイーブとも言うべきエネルギーを持ち続けることが必要だと感じました。

CBSの演説直後のクイック調査では以下のような数字が挙がってきています。

  • 83%が大統領のスピーチを認める
  • 演説前の57%の支持者が演説後には70%へ:「大統領は米国の抱える問題の優先順位を国民と共有している」
  • 演説前の55%の支持者が演説後には71%へ:「大統領の経済計画は平均的な米国人を助けることができる」
この調査は44%が民主党支持者、21%は共和党支持者という回答者の比率で、オバマ支持者にバイヤスがかかっているので、米国民の声をそのまま反映しているとはいえません。ただし、少なくとも直接米国民に呼びかけた大統領の肉声は、やはりある種の安心感を国民に与えたことは否定できないと思います。

マサチューセッツ州の上院議員選挙での民主党の敗退は、米国に広がる政党への不信感を強く持つ人たち(無党派層)の怒りの増大を示唆して、オバマ政権とワシントンの民主党議員の間には「戦慄」が走り抜けました。この「坑道のカナリア」ともいうべき警鐘が、今、1月の時点で起きたことは、オバマ政権にとってラッキーだと思います過去1週間のオバマ大統領のトーンは完全に選挙期間中に戻り、「We & You」という言葉を連発しています。オバマ政権のグラスルーツキャンペーンを成功させたキャンペーンマネージャーのDavid Plouffeも先週オバマ政権に復帰しており、オバマ政権は就任1年目で早くも戦闘態勢に入りました。これも「Instant Grafitication(瞬間的な満足)」に慣れている米国民にとって、「モット時間が必要」と待つことが依頼するのが、実に困難であるかを象徴している出来事です。

「攻撃は最大の防御」という鉄則はさまざまな分野で活用できます。守りに入ったビジネスや政権は、弱体化します。ヘルスケアのリフォームという政治課題のために、守りに入っていたオバマ政権にとって、昨日は「ボタンをリセット」した重要な日です。スピーチの最後に大統領は「We don't quite. I don't quite.」という言葉で、決意を強く表明しています。3億人の人口を抱える米国は、ホモジーニアスな日本とは異なり、さまざまな人種や民族、政治的主張、価値観の異なる人間たちの集合体です。3億人分の異なる期待にどこまで応えていくのか、私のような常人は、想像しただけでもをアタマをハンマーで殴られたような痛みが走ります。あきらめないといっている大統領に、私は期待して、もう少し時間をあげたいと思います。

昨日は2人の超優秀なマーケターの登場で米国は盛り上がっていました。最初は地元サンフランシスコで新製品を発表したAppleのCEOのSteve Jobs(スティーブ・ジョブズ)です。私も、Yerba Buena Center of Artsから招待されたレポーターによって、どんどんライブでアップデイトされる彼らのTweetを読みながら、私のアカウントで笑いながらTweetしていました。Twitterの面白さは、Tweetererの感情的なリアクションが見られる点で、140文字で表された感情表現は、製品への批判でありながらも非常に面白く、コピーライターも中々こうは書けないという名コピーが多く、エンジョイしました。これはまたあとで、エントリします。

夕方から登場したのは、Obama(オバマ)大統領で、支持率が下降する中で、「State of the Union Adress(一般教書演説)」を行いました。米国民に、直接大統領の言葉で、2010年の米国の向かう道筋を説明する大事な演説です。スピーチの全文はここで読めます。ヴィデオは以下です。1時間11分のスピーチの中で、大統領は91回のアプローズ(拍手喝采)、58回のスタンディングオベーション(立ち上がって拍手喝采)を得て、その中に共和党の40回も含まれています。

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    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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