RFKは、民主党のライバル候補のEugene McCarthyに、カリフォルニアの予備選挙で勝利した1968年6月5日深夜を過ぎた直後、射殺されています。彼は、兄のJohn F Kennedy(ジョン・F・ケネディ:JFK)大統領時代に、Attorney General(司法長官)として、マフィアに代表される組織犯罪の撲滅、公民権運動(人種差別撤廃)に尽力していました。JFK暗殺以降、身辺の危険を感知しながらも、上院議員から大統領候補者へと、当時の米国の深刻な問題に取り組むキャンペーン活動を続けていました。当時のベトナム戦争の悪化と公民権運動で動乱の米国において、彼の死は、大きなショックをもたらしました。
彼の遺体はニューヨークからワシントンまで、103年前のリンカーン大統領と同じように、列車「Funeral Train(葬儀の列車)」によって運ばれましたが、鉄道の沿道に、人種・性別・年齢を超えて、200万人が彼との最後の別れを惜しんだといわれています。
今朝は、Meet The Pressの記事を読んでいて、RFKが、1961年(47年前)のスピーチで、以下のように、Obama(オバマ)出現を予言するかのような発言をしていることを知り、改めて驚いてしまいました。
Things are "moving so fast in race relations a Negro could be president in 40 years." "There's no question about it,' In the next 40 years a Negro can achieve the same position that my brother has.' ...
この「Negro(ニグロ)」という言葉も生々しいですが、RFKは、「40年後には黒人大統領が現れる。これに対して私はまったく疑っていない」と言い切っています。RFKの大統領選への出馬は、彼が心底信じていた、アメリカが国としてなすべきこと、差別撤廃や貧困克服という情熱の具現化です。当時の差別が渦巻く米国内の状況において、この言葉をスピーチの中で発言した、彼の勇気には脱帽です。
RFKの未亡人Ethel Kennedyは、早くからオバマサポートを打ち出し、JFKの長女Caroline Kennedyは、自分の父親と同じように国民をインスパイアするオバマをサポートするという発言をしています。また、彼女は現在オバマの副大統領候補選定委員会のメンバーでもあり、ケネディ兄弟の最後の生存者Ted Kennedy上院議員は、オバマを民主党内の次世代の指導者として強力にサポートしています。
多くの人たちの情熱と犠牲、さらに時間によって、今の2008年の政治シーンが形づくられています。