裏庭の椿の花が咲き始めています。ここAlameda Islandは、島中いたるところに椿の花が植えられており、私の母の故郷の伊豆大島を連想させます。
今朝は、椿の花を愛でた後に、新聞でサンフランシスコ市長Gavin NewsomのLove Affair(ラブアフェア)のスキャンダルを読んで、「何、考えているの!」という気分になってしまいました。彼は、昨日SF Chronicleによって報道された、彼のキャンペーンマネージャーで親友でもあるAlex Tourkの妻で、市長の秘書であった女性Ruby Rippey-Tourkとのアフェアがあった事実を認め、急遽記者会見をして謝罪しました。彼自身のコメントには「Affair」という言葉は入っていませんでしたが、Alex Tourkやその家族、彼のスタッフ、さらにSF市民を失望させるような行動を行ったことを、陳謝しています。このアフェアが単なるパーソナルなこととして片付けられない理由は、以下です。
- 相手が、当時市長の秘書だった
- 相手の夫が市長のスタッフで、彼はこの件を妻に打ち明けられて、辞職した
- 相手の夫が市長の親友である
- 相手が、現在アルコールとドラッグ依存のリハビリ中
米国では、こうしたアフェアはしばしばセクシャルハラスメントへと発展し、企業が訴訟を起こされることが多々あり、企業側が黙認できない大きな問題です。2年前には、ボーイングのCEOが女性のエグゼクティブとアフェアがあったために解雇されており、経営者やリーダーたちの倫理観念は、企業にとっても非常に重要な役割を果たします。ただ、今回の彼のスキャンダルの対処の仕方は、リスクマネジメント面から見ると正しく、即座に謝罪したNewsomは、多分SF市民から許されるはずです。
Newsomは、SF市長として政治的には危険な賭けともいえる「ゲイマリッジを承認して」、進歩的な次世代の民主党ホープとして、将来のカリフォルニア州知事、さらに大統領も狙える政治家として期待されていた人物です。今回のスキャンダルは、そうした彼の将来の政治的なキャリアに、大きな影を落としそうです。
また、彼は39歳で独身、「Tall, Dark and Handsom(背が高く、髪がダークでハンサム)」という西洋の理想的な男性の容貌の条件を持ち、女性からの誘惑が多いことは想像に難くありません。特に、前妻との離婚のゴタゴタの後は、多くの女性たちと付き合っていて、19歳のガールフレンドが未成年なのに彼とワインを飲んでいると非難されるなど、女性がらみの話題に事欠きません。これも、ハリウッドスター並のルックスと名声の代償なのかもしれませんが、彼の女性の選び方や付き合い方は、私から見ると、「いい加減に大人になったら!」というおばさん的な小言の1つや2つは出てきそうな感じです。
先週もDavos会議に出て、Second Lifeでロイターの記者のインタビューを受けて、チャラチャラはしゃいでいるようでしたが、地元SFでは引き続きホームレス、警察内部問題など、頭痛の種は多く、もっと地元にフォーカスしたほうがいいような気がします。
現在は、YouTube時代です。「Tracker(トラッカー・追跡者:政治家を24時間に追いかけ回して、彼らの失態や失言をヴィデオに撮って、オンラインにアップロードする)」も出現して、Public Figure(公の人物)は、常に彼らのターゲットとして、狙われています。隠すことができない21世紀は、そうした人たちにとって、受難の時代でもあります。彼に限らず、多くの政治家は、お金と女性問題(あるいは男性問題)で、政治的なキャリアを失う可能性を秘めており、政治家(=公僕)である時は、この2つから距離を置くのが肝要だと、つくづく実感します。