SF市長のGavin Newsomが、必死に取り組んでいるホームレス問題は、SFが永年抱える大きな課題です。2004年の推定で1万5000人いるといわれるホームレス は、麻薬・アルコールの依存あるいは家庭内暴力などによって、心に痛手を受けている人たちが多く、SFではこうしたホームレスの人たちへの精神および物質 的なサポートプログラムに 基づいて、専門家によるカンセリング、雇用サポート・住宅供給など、いろいろな施策が実行されています。市の努力もあって、少しずつホームレス問題は向上 しつつあり、過去2年間で、1500人のホームレスに住宅を供給し、ストリートに住むホームレス人口は28%減少しています。
昨日のチャールズ皇太子とカミラ夫人のEmpress(ホームレスのための住宅)訪問は、そうしたSFのホームレス問題の進捗状況を、パブリックに訴える には、非常によい機会でした。皇太子も英国でホームレス問題に積極的に取り組んでいるという共通点もあり、ブッシュ政権のホームレス問題担当者も随行し て、12人のホームレスと会話を交わした「ロイヤルカップルの65分間のツアー」はまずますの成功だったようです。
亡くなったダイアナ妃のエイズ患者への親身な対応とは、正反対の当時の他の英国王室の冷たい態度は、今でも鮮明に記憶に残ります。チャールズ皇太子も、イ マイチ評判がぱっとしないカミラ夫人を伴っての今回の米国訪問は、ダイアナ妃並み派手なパフォーマンスやPR効果は生まれませんが、彼らしく地味な効果は 上がっている、そんな気がします。
日本でも、聖武天皇の夫人である光明皇后が、730年に設立した日本最初の病院「施薬院」や、貧しい人たちために施しをする施設「悲田院」の例もあるように、世界で最もリッチな王室の英国ロイヤルには、社会貢献で大いにがんばって欲しいと思います。