グローバルブランドとしての「スターバックス」のランキングの推移
- 2006年5位
- 2005年4位
- 2004年4位
- 2003年10位
今朝のMSNBCのニュースでは、スターバックスは、米国では600の既存店舗の削減を計画しており、最大1万2000人のフルタイム・パートタイムの社員のレイオフとなるということです。9/29からスタートする会計年度では、新店オープンは200店舗以下で、当初の予定の250店舗から下方修正しています。
現在全世界でスターバックスは1万6000店舗、米国にはおよそ6600店舗をありますが、急激な膨張戦略は、極端な例では、スターバックスの2店舗がストリートをはさんで向かい合うほどの「地理的なカニバリズム」をもたらし、結果「スターバックスブランド」を疲れさせています。スターバックスのようなメガブランドでは、どんなにそのブランドが強くても、「ブランドのライフサイクル」における、一つの大きな「Plateau(停滞状態)」に突入するのは必至です。ここで、企業がどんな手を打って、「疲れてしまったブランド」に、息を吹き込むかがポイントだと思います。どこにでもあるスターバックスは「ユビキタス状態」で、ユーザにとっては非常に便利なものですが、利便性だけに頼っていると、「わざわざスターバックスに出かける」という「ブランドへのDesire(欲求)」が欠乏して、「メガブランドからマスブランドに転落」してしまいます。会長のHoward Schulzが、またCEOに復帰しており、マーケッターとしては、彼が今後どんな技を見せて、この「Plateau脱出」を図るか、十分注目していきたいところです。
今朝のニュースで印象に残ったのは、株式投資リソースのMorningstarのシニアアナリストの言葉です。「投資家が最も嫌うのは、企業が経済状況悪化といった自分がコントロールできない要因を、業績不振の原因としてあげることだ。企業が自身の戦略実施のミスを認めて、正しい戦略の実施展開に注力することが非常に大事だ」。これは、私も納得する論理です。スターバックスは、経済環境の悪化を言い訳にしていないので、評価されています。