「政治的ロールシャッハテスト」といわれる映画ですが、一緒に行った共和党支持の夫に、この映画の批評を事前に読んだかと尋ねましたが、彼は一言「コメディだって」と答えていました。確かに、夫も私も含めて観衆は、この映画の中のジョージ・ブッシュの発言や行動に笑っていました。ただし、父親(元大統領)に認めてもらいたいがために、球団経営、州知事、さらには大統領になっていくスートン版の「W」の姿は、その結果を考えると、簡単に笑えない「怖さを」を感じました。映画自体は、オリバー・ストーン節ともいうべきアプローチなので、その評価は、映画評論家に譲りますが、私は映画を見た後、この誇張された「W」という人間を米国民は2回も大統領に選んだのかと思い、何ともいえない「憂鬱」を感じました。政治的に見れば、このタイミングで公開されているので、共和党にとっては見たくもない映画です。ただし、「W」がイラク戦争開始を宣言する時に、議会が全員総立ちで拍手喝采するシーンがあり、そこにはもちろんMcCain(マケイン)の顔がありますが、民主党のJoe Biden(ジョー・バイデン)、Hillary Clinton(ヒラリー・クリントン)、Nancy Pelosi(ナンシー・ペロシ)などが拍手する顔も見えて、多くの人たちの「判断」を感じて、何ともいえない重苦しい気分になりました。
この続きと詳細は、JaM Media会員制コラム「Real Watch 2008年米国大統領選挙」で、お読みください。