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サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



コロナショック後の世界で何が生まれるか【大柴ひさみ×佐々木紀彦×須藤憲司】【後編】

4/21/2020

 
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以下は3/19(日本時間)に実施されたオンラインセミナーをまとめたものです(後編)。全文はKaizen Platformの公式ページで読んでください。冒頭の部分のみをご紹介します。

3月19日にオンラインで行われた『DX人材養成講座』のプレイベント。

前編では大柴ひさみさんにアメリカにおけるZ世代とミレニアルズの消費行動について伺いました。後編では、NewsPicks取締役の佐々木紀彦さんを交え、引き続き大柴ひさみさんと、須藤により「コロナショック後の世界」について対談が行われました。

※なお、本セミナーは3月19日(日本時間)に行われたもので、コロナウィルスなどに関する情報はその時点での情報であることをご了承ください。
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アメリカの問題があぶり出されるコロナショック
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須藤:日本では小康状態をなんとか保っているコロナウイルスですが(3月19日時点)、アメリカではどのような状況ですか?
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大柴:今週、最も危機意識が高まったと考えています。緊急事態宣言も出ました。ニューヨークやサンフランシスコ、ベイエリアなど海岸沿いの州で感染者が急増し、ワシントンでも続々と感染者が増えています。集会は禁止され、レストランなども軒並み営業禁止となりました。

私が住んでいるのはラスベガスから車で1時間ほどのところにあるユタ州のセントジョージというカントリーサイドにある街ということもあって、感染者はそれほど増えていません。ただ、10人以上の集会は禁止とか、不要不急の外出はやめるようにという要請が出ています(※以上すべて日本時間3月19日時点の情報)。

日本同様、トイレットペーパーなど日用品や食料品などがスーパーマーケットの棚から一斉に消えました。
トランプ政権をはじめとする共和党は、コロナウィルスを当初軽視していたんです。2月の時点では、「このウイルスはインフルエンザと同じようなものだから、すぐに収束する。不安を煽っているのは民主党の企みだ」とすら言っていたんです。共和党支持者に対して、「安心してレストランへ行って仲間との時間を楽しみ、日々をエンジョイしてください」なんて煽ったくらいなんですよ。

だけど、ここに来てようやくトランプ大統領もことの重大さに気づいて、自宅にいるように要請しはじめました。つまり、このコロナウィルスの騒動を自分の選挙を有利にするためのポジショントークとしてきたことのツケが回ってきたわけです。

特にトランプ大統領の支持者の多くは65歳以上の高齢層。彼らがトランプ政権を支えていたのに、その支持者たちが次々と感染して入院を余儀なくされているという皮肉な状況になりました。

今回の新型コロナウィルスによって、アメリカのあらゆる問題点が浮き彫りになってしまうと思いますよ。ヘルスケアがうまく機能していないこと、BIG4の一角であるフォードの工場が閉鎖したり、中国に頼っていた物資が流入してこなくなったりしています。グローバルなつながりによって成り立っているこの世界で、「自国だけが良ければいい」という自分勝手な考えでは、行き詰まってしまうんです。

複雑化する個人情報保護法と「保持する情報を身軽にする」という選択
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須藤:今日大柴さんに一番聞きたかったのは、2020年にアメリカで施行される個人情報保護法「CCPA」のことなんです。あれだけ複雑な法律にアメリカの多くの企業は対応できているんですか。

大柴:率直に申し上げると、どの企業も対応しようと努力はしていますが、コスト面でも業務的な面でもほとんどの企業が対応しきれていません。ただ、アメリカの消費者はとてもシビアなので、この法律に対応していかなければビジネスはできなくなってしまうでしょう。

誰が情報の所有者なのかを明快にしておきたいというところまで消費者の考えが至っているので、アドテク的な考えでユーザーを囲い込むことに対する反発は凄まじいものがありますね。

須藤:たくさん個人情報を持っていても、逆にそれがリスクや負債になる可能性もありますよね。日本にはこの考え方がまったくなくて、まだまだ「とにかく少しでも多く個人情報を持っておきたい」というものが主流。だけどグローバルで厳しい規定や罰則のある個人情報保護法が主流になってくれば、いらない情報は持たずに身軽にしておいた方がいいと考える企業だって出てくるんじゃないでしょうか。

大柴:そうですね、制裁金も莫大な額になりますから。日本のユーザーは「個人情報を取るな!」っていいながらも、個々人で情報を管理する意識がまったくないんですよ。行政をはじめとする「お上」が管理するもんでしょ、「なんで自分で管理しなきゃいけないの?」みたいな。それはちょっとナイーブすぎるんじゃないかなと思います。

須藤:日本では個人の情報を管理する「情報銀行」みたいな機関をつくろうと各事業者が飛びついているんですよね。そういう考え方って、アメリカにもあるんですか。

大柴:いや、聞いたことはないですね。

須藤:アメリカの人たちは、役所や銀行などで中央集権的にコントロールされるのが嫌いそうですよね。

大柴:ええ。「情報銀行」という単語を聞いただけで、ジョージ・オーウェルの小説『1984』に登場するBig brotherに支配されているようでとても嫌ですね(苦笑)。

須藤:なぜアメリカの人たちは、大企業や大きなものに統制されることを嫌うのでしょう。

大柴:大企業のやることって、消費者にとってよいことばかりではないし、たくさんの資本を持って儲けを狙って何かやるじゃないですか。リーマンショックの引き金になったサブプライムローンも、弱者からお金を取って銀行が儲けるやり方ですよね。

大企業や銀行などに対する不信感が、特に若い世代を中心に根強く存在しているんです。例えばアメリカでは昔からあった小切手を切る、ということすらも、後で銀行でデポジットしなければならないからという理由で、若い世代は嫌がるくらいなんですよ。
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続きは、Kaizen Platformの公式ページでご覧ください。

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    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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