「American Idol(アメリカン・アイドル)」の英国版TV番組「Britains Got Talent」に現われたSusan Boyle(スーザン・ボイル)のヴィデオシーンは、今、世界中で閲覧されています。47歳の教会のボランディアワーカーがステージに登場した時に、審査員も含めて、誰もが彼女が天使の歌声ともいうべき歌唱力を持っていることを予想していませんでした。彼女に対する審査員のシニカルな態度は、彼女が、ミュージカル「Les Miserables(レミゼラブル)」の「I Dreamed a Dream」を歌い始めた時に、驚愕の表情に変わり、会場のオーディエンスの熱狂とともに、Susanの歌唱に圧倒されたようでした。
アメリカンアイドルの毒舌的な審査員として有名なSimon Cowell までも「extraordinary」と評し、Piers Morganは「stunning performance was "the biggest surprise I've had in three years of this show」と絶賛しています。11日の放送は、6000万人の英国人口のうち1140万人が視聴したといわれています。Susanは、3人の審査員から「Yes」をもらうと、拳をふりあげてアタマを振りながら足を踏み鳴らすというスコットランド人的なアクションが入り、大いに盛り上がりました。英国では「Underdog(負け犬)」を応援する傾向があり、彼女のシリーズ勝利が実現すると、かなりドラマティックな流れになるので、今後の動向は大いに注目したいと思います。
Susanのまるで一度も美容院に行ったことがないヘアスタイル、物凄い迫力の眉、教会に行く時のワンピースといった感じのドレスと黒のストッキングに白のハイヒールという組み合わせ、どれをとっても現在のポップカルチャーから大きく離れており、個人的には彼女のアンチ・ポップカルチャー的な出現を大いに喜んでいます。YouTubeのコメントを読むと、すでに彼女のメイクオーバー(プロが彼女の容姿をソフィスティケートにする)に関する論議が出ていますが、私は農場からそのまま出てきたような彼女の荒削りの容姿を大事にしたいと思います。さて、さて、どうなることか?