ひさみをめぐる冒険
  • BLOG
  • About
  • Contact

ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



ソーシャルメディアや携帯電話で寄付を集めるハイチ地震救援

1/14/2010

 
最近はTwitter(ツィッター)で気になった事柄をマイクロブロギングしていて、ブログの更新が少なくなっています。Twitterのサイトにログインしていると、自分がフォローしているさまざまなサイトからTweetが入るので、ついRetweetしたり、深堀してしまいます。たしかに瞬時に情報がアップデイトされるTwitterのライブ感は、ユーザにとってアトラクティブです。また、自分の関心事のログとしてメモ代わりにも使っており、その日の自分の興味と関心事の推移がよくわかり、ライターとしては非常に便利なツールとなっています。

今朝の私の最初の興味は、スマートフォンを含むモバイル(携帯電話)からのウエブアクセスが、3年後の2013年にはPCを抜いてしまうというGartnerの予測です。Gartnerによれば、ウエブアクセス可能な携帯電話は18億2000万台となり、PCの17億8000万台を超えて、メインのインターネットアクセスとなると予測しています。Morgan StanleyはPCを抜くには5年かかると予想していますが、確かに消費者のモバイルへの依存は急速に高まっており、Gartnerの2013年の強気の予測は正しいかもしれません。

今朝はさらに、Obama(オバマ)大統領が迅速なHaiti(ハイチ)地震救済を実施するために、米国は1億ドル(100億円)供出、最大5500人の米軍兵士を救援に差し向けると発表しました。ハイチ地震救援寄付でも、この携帯電話が大きな役割を果たしています。DailyFinanceよれば、すでに携帯電話のテキストメッセージで、赤十字に300万ドル(3億円)寄付が集まり、これは1日のモバイルによる寄付では最高額を記録したというニュースが入ってきました。これは過去の災害時の寄付の記録である、2004年12月のインドネシア津波の時の20万ドル、2005年8月のハリケーンカトリーナの時の40万ドルを、大きく上回る金額です。今回は「HAITI to 90999」をテキストメッセージすると、10ドルが自動的に赤十字に寄付されるという非常にシンプルなもので、誰でも簡単に参加できる仕組みとモバイルがアクションを起こすためのツールとしてますま生活に根づいていることを示しています。

また、今週は米国の交通事故の28%が、ドライバーが携帯電話で通話中あるいはテキストメッセージをしている最中に起きているというデータも発表されており、米国民のテキストメッセージへのオブセッションが、ハイチ地震救済の寄付にも現れているのかもしれません。ハイチ地震救済の団体のリストはここでも見られます。こうした救済のための寄付金募集という「call-to-action」で最も有効な手段はやはりTwitterやソーシャルネットワークといったソーシャルメディアのチカラです。いろんな情報が続々と入ってくる中で、瞬時にライブで仲間に呼びかけることが可能なソーシャルメディアは、行動のバイラル化が可能で、さらにヴィデオも駆使できるので、大きく人々の心にインパクトを与えています。

ただし、最悪死者5万人とも推定され今回のハイチ地震救済のために、続々集まる個人の寄付によって、最もビジネス的に恩恵を受けるのは、皮肉なことに、莫大なお金のトランザクションを扱うクレジットカード会社や銀行です。ハイチの78%の国民は、1日に2ドル以下で生活するという貧しい国です。地震によって完全にインフラが崩壊してしまった現在は水や医療、食物が最も重要なものとなっています。でも、今すぐにお金が使えなくても、今後の復興にとっては非常に重要になので、どんなカタチにせよ、寄付は必要です。

すでに、ハリウッドやNBAといった俳優やプロアスリートも支援行動を開始しており、国連や諸外国の支援も続々ハイチに到着しています。カナダ、中国、スペイン、アイスランド、ブラジル、べネズエラ、メキシコ、英国、イタリア、フランスなど、全世界が手を差し伸べようとしています(日本の名前は今の時点で見えていません)。グローバル的な支援は始まっています。私もブログやTwitterで、か細いながらも、ハイチ地震救済の情報を発信して、サポートしたいと思います。

「ブログ始め」は、自転車三昧のお正月とコンピュータのお話

1/5/2010

 
明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。1ヶ月のうちに満月が2回現れる「Blue Moon(ブルームーン)」の元旦を経て、穏やかな正月の3が日が過ぎました。3日間ブログやTwitterと離れて、オフラインで夫と2人で自転車ばかりこいで、自転車三昧のお正月をすごしました。

元旦と2日は、我が家のあるアイランドシティAlamedaを1周する20マイル(32.19km)コースを走って「自転車始め」をして、3日にはPoint Richmondまで、Team Alamedaの仲間と一緒に往復して来ました。このコースの途中まで、ペダルが3つある3人乗り自転車に幼児と小学生高学年の女の子2人を乗せたお父さんも参加していました。お母さんも1人乗りの自転車でそばを走っていましたが、家族4人がロードレース型の自転車に乗るチームに遅れもせずに楽々とこいでいるのは、驚きました。このコースの距離は、44マイル(70.81km)で、私は3日間で合計84マイル(135.19km)走りこみ、かなり気合が入ったスタートを切りました。

夫のPinarelloの新しい自転車「Prince」は好調で、チームメンバーを追い越すほどの余裕があり、如何に自転車の性能が速さに比例するかを見事に示唆しています。私のSpecializedのDolceでは、到底歯が立ちませんが、亀のような速さながら、必死にみんなに食いついていきました。サンフランシスコベイの光と磯の香りをかぎながら無心になってペダルをこぐ楽しみは、やはりオフライン生活の大きな喜びです。

また年末に、10年ぶりにラップトップコンピュータ(AcerのAspire)を購入して、新年から、OSはWindows 7を使っています。10年前に購入したのIBMのThinkPad(Lenovoになる前)は、今でも壊れることなく使用できますが、さすがに処理スピードが遅くなり、スクリーンの画像が暗いので、思い切って買い換えました。新しいラップトップ購入は、夫が新しいジーンズ(彼が常にはいているLevi'sのストーンウォッシュではなく、インディゴブルーのダークなカラー)を購入するようなもので、中々踏ん切りがつきませんでしたが、Toshibaのドッキングステーションも一緒に購入して、デスクトップののモニターに画像をドラグしながら、最新のソフトやマルチプルな作業を行って、今まで自分が如何にオールドスクールだったかを実感しています。

私の一番最初のラップトップもThinkPad(Window 95のOS) ですが、この2台目のThinkPadはクラシックと言っても良いくらい、丈夫で頑丈です。OSは、最初はWindows98で、その後はXPに入れ替えましたが、日米間を数え切れないぐらい私とともに往復して、今でもノートブッククーラーの上において冷やしながら使用しています。新しいラップトップにすべての資料の入れ替えを行ったら、このThinkPadの中身をすべてきれいにして、これはこれで使うつもりです。最近のラップトップコンピュータの使い捨てに近い短い耐用年数から考えると、10年前に3000ドル以上で買ったこのコンピュータは十分元が取れたと思います。ハードはあたりはずれがありますが、私とこのThinkPadの相性は確かに良かったようです。

日本出張でいつも私の古いThinkPadを見て驚いていた方たちは、今度いきなりラップトップがAcerに変わったので驚かれると思います。これは、私の住むアイランドのコンピュータ修理とカスタマイズをするお店のオーナーの推薦によるものです。彼女は、私の軽くて速いラップトップという希望を、コストパフォーマンスと性能という点から考えて、Acerを選びました。彼女いわく、ほかのメーカーの製品は、バラバラな部品メーカーがバラバラなプラントで作っているので、製品の質が一定していないという点を強く指摘して、それを避けるためにAcerを推奨しています。非テクノロジー系の私は、信頼する彼女の助言に素直に従っていますが、今のところ、大いにハッピイです。

そんなこんなで、年の初めのオフとオンの日々は、快調です。

熱くなるモバイル市場:AppleとGoogleの全面対決か?「Nexus One」ローンチング!

1/5/2010

 
今年は、GoogleとAppleのスマートフォンをめぐる全面対決の年になりそうです。Googleは自身のオンライン広告帝国を死守するために、今日正式にAndroid(アンドロイド)搭載のスマートフォン「Nexus One」をローチングしました。すでに3週間前に社員には公開されていたNexus Oneですが、Googleのサイトでは、実際にカーソルをNexus Oneのイメージのアイコンにあわせると具体的な機能が見られます。キャリアはT-Mobile USAで2年間契約で、179ドルですが、他のキャリアを使用したい人には「unlocked」と呼ばれるバージョンがあり、これは529ドルという価格で販売されるということです。米国のVerizon、ヨーロッパのVodafoneも、今年の春にはNexus Oneの発売を開始するということで、Googleの本格的なスマートフォン市場参入が始まります。

過去2年半で3000万台のiPhoneを売り切ったAppleは、今日Googleに対抗するかのように、モバイル広告ネットワーク会社Quattro Wirelessを2億7500万ドルで買収しました。Googleは昨年11月競合のモバイル広告ネットワークのAdMobを、7億5000万ドルで買収したばかりで、両社の今後の動きは激しくなりそうです。アンドロイドプラットフォームのスマートフォンは、すでに昨年からぐんぐんシェアを伸ばしており、iPhone、Blackberryを中心として成長してきたモバイル市場は、かなりの速度で拡大しそうです。

インターネットへのアクセスが、コンピュータからモバイルデバイスに移行する中で、今年はモバイル市場が大いに燃え上がりそうです。

Twitterの分析による「2009年トレンドのトピックス」

12/16/2009

 
画像
6月のイランの大統領選挙の際に、Twitterがイラン市民の主要なコミュニケーションツールとして活用されて、一気にグローバルな注目を浴びましたが、それを反映したせいか、News Eventsのカテゴリのトップは、ハッシュタグ付の「#iranelection(イラン選挙)」で、4位に「Iran(イラン)」、5位に「Tehran(テヘラン)」とイラン関連用語が並んでいます。これは、私にとっては意外な結果で、そこまでイラン大統領選挙でTwitterがヘビーに使われたのかと思い、思わずTwitterが果たした「コミュニケーションの民主化」を実感しました。

Peopleのカテゴリでは、トップは予想通り「Michael Jacson(マイケル・ジャクソン)」で、第2位に英国の「Britain's Got Talent」で準優勝となった「Suzan Boyle(スーザン・ボイル)」がつけて、3位には同じくAmerican Idol(アメリカンアイドル)の準優勝の「Adam Lambert(アダム・ランバート)」が入っています。スーザンは、「YouTubeセンセーション」と呼ばれて、全世界の注目を集めましたが、彼女のデビュー曲「I Dremed A Dream」は予約の段階でミリオンセラーとなり、今はビルボードを驀進中です。さらにアダムはアメリカンアイドルで初めてゲイであることをオープンにした男性です。先月のAMA受賞式で、セクシュアルなダンスで歌唱したために多くの非難を受けて、朝のトークショウの出演がキャンセルされるというスキャンダラスな存在です。オンラインで注目を集める要素としては、良くも悪くも「センセーショナルな部分」が必要で、この両極端な2人の例は、それを示唆しています。

Technologyのカテゴリでは、1位「Google Wave」、2位「Snow Leopard」、3位「Tweetdeck」、4位に「Windows 7」という順位で、Google、Apple、Twitter、Microsoftとテクノロジー業界の雄をトップ4に入ってきています。Windows 7が4位というのは、いろんな意味で中々健闘していると思えます。

おのおののカテゴリのトップ10を見ると、どれも予想可能な順当なランキングで、一般の人たちがTwitterでさまざまな検索をしていることがよくわかります。ライブでリアル検索が可能なTwitterの良さは、今年1年でどうやら実証されたようです。
昨日Twitterが発表した今年のトレンドのトピックスは、中々興味深い結果となっています。キーワード、ハッシュタグ、フレーズを分析して、以下のように7つのカテゴリで各々トップ10を選んでいます。

米国最新マーケティング事情「JaM Report Vol. 5」が完成しました!

8/5/2009

 
多くの方からまだまだかというお問い合わせをいただきました、米国最新マーケティング事情「JaM Report Vol. 5」がやっと完成しました。今の気分は、「ヤッター!ヤッター!」という感じで、高い山の頂上に立った、あるいは「2005年のセールボートによる太平洋半分横断航海」といった気分です。これが多くの方に購入していただいて、読んでいただければ、さらに幸せな気分になれます(笑)。以下のレポートの詳細を記します。

2007年から開始した年2回発行のレポートは、定期的にご購入される企業の方から、「急速に変化するマーケティング業界のベンチマークとして、押さえておかなければならない価値あるレポート」というお言葉をいただいています。マスメディアの地盤沈下、Facebookユーザの急増やTwitterの台頭に代表されるソーシャルメディアの一般化と、マーケティング・コミュニケーションの世界は激動しています。レポートは13の事例と各種のデータや調査をふんだんに使って、現在の消費者のオンラインライフとマーケティング・コミュニケーション事情を分析しています。合計83ページのレポートを、購入希望の方は、jaminquiry@jamjapan.com まで、お問い合わせください。また、内容をより詳しく知りたい方には、PDFの目次もありますので、メールでお問い合わせください。

<レポートの内容>合計83ページ(Twitterの分析には25ページを費やしています)

  • 消費者のオンラインライフ:ソーシャルメディアやUGCが果たす役割や影響力、消費者のソーシャルメディアの中で見られるユーザプロファイルの相違など、消費者のオンラインライフのリアリティを検証。
  • メディアの動向:トラディショナルなメディアのリアリティチェックと今後の可能性を検証し、Facebook、MySpace、YouTubeの果たす役割やおのおのの比較など、ソーシャルメディアの台頭と今後の動きを事例や調査データを基に検証。
  • Twitterブームの検証:「現象化しているTwitter」を、最新の調査・データや事例とともに、徹底的に検証。消費者とTwitterの関係、企業や著名人・メディアはTwitterをどのように活用しているのかなど、課題や今後の可能性も含めて、企業のTwitter対応にフォーカス。
  • マーケティング業界の動向:ソーシャルメディア対応を余儀なくされるマーケティング業界の問題点や課題をを探りながら、「広告に苛立つ消費者」にどのように対応し、エンゲージしていくのかを検証。

"Mac vs. PC"の広告合戦に見る価格競争はどっちに軍配が上がったか? 

7/18/2009

 
PC Worldによれば、マイクロソフトのコンファレンス「2009 Worldwide Partner Conference」で、COOのKevin Turnerは、自社の「Laptop Hunters」の広告キャンペーンに関して、Appleの法務部門から、広告に関するクレームの電話があり、いかにアップルがMSのこの広告にイラついているかを示唆しました。Turnerによれば、アップルの法務部門は、「すでに100ドル以上も価格を下げており、MSはこの広告を流すことを中止すべきだと訴えった」して、自分のビジネスキャリアの中で最も凄い電話であったと、席上語っています。

アップルはこのMSの一分間の価格攻撃の広告に対抗して、以下のような広告で反撃しています。

昨年のオバマキャンペーンの時にも、実感しましたが、競合の攻撃的な広告への反撃は、即座に行なわないと、ロイヤルカスタマーの心証を害することがあるという点です。ロイヤルカスタマーは、常に自分の判断(その製品を購入したこと)が正しかったと、企業に証明してもらいたがっています。その観点からすると「広告」は、すでにそのブランド・製品・サービスを購入してカスタマーの描く「ブランドイメージ」をきちんと表現し、さらにその顧客がよりスマートに見えるようなライフスタイルを訴求することが非常に重要になってきます。

すでにカスタマーになった顧客が、「Buyers Remrose(高額商品購入後の後悔や不安による落ち込み)」を起こさないために、その顧客にとって意味のあるブランドであることをコミュニケーションする、それが広告の大きな役割であるを十分認識して、企業は広告展開をすべきだと思います。今回のこのMac vs. PCの広告は、非常にシンプルにPCの価格のベネフィットを訴求するMSに軍配が上がる、そんな気がします。

マーケターとして考える「空気感」:今の気分は「ディスカバージャパン」です。

7/13/2009

 
Picture
先週末に米国に帰国し、今は「米国の空気感」をつかむために、大きく深呼吸している最中です。今回の3週間の日本出張は、1995年に米国に移住して以来、最長の連続した日本滞在となり、改めて「日本の生活」を見つめ直す、非常に良い経験となりました。

かつて1970年代に、国鉄(JRの旧称、当時はそう呼ばれていました)が電通と展開した「ディスカバージャパン(Discover Japan:美しい日本と私)」というキャンペーンがありました。この頃は、1970年に女性雑誌の「anan」、1971年に「non-no」」が発行されて、「アンノン族」という言葉が生まれ、当時10代だった私も含めて多くの女性たちは、倉敷、萩、津和野などの古都を訪ねて、「日本を良さを再発見する旅」に憧れました。さらに、1978年には、山口百恵の「いい日旅立ち」が国鉄のキャンペーンソングとなり、女性たちの旅への憧れは高まって、現在に続いています。

今回の3週間の日本滞在は、講演のためにもちろんホテルに泊まりましたが、縁あって普通のアパートメントに泊まり、スーパーマーケットやコンビニエンスストアに頻繁に出かけ、大学時代のゼミナールの友人たちが開いてくれた同窓会で大いにおしゃべりをして、3人のお子さんのある家族とランチをしながら遊園地で大観覧車に乗るという経験までしました。以下の写真は横浜のみなとみらいの大観覧車に乗った私と観覧者の中からみなとみらいを撮影したものです。


日経の講演や書籍発行のプロモーションで、かなり動き回っていましたが、十分、「日本の良さを再発見する時間」がありました。アパートメントの廊下であった人たちの控えめな挨拶、みなとみらい駅に向かう途中のベンチで恥かしそうな様子で手を握りながら座っている若いカップル、docomoショップで私が悩んでいた日本の携帯電話の使い方を本社に電話をかけながら一生懸命教えてくれた若い女性(見習い中というカードがありました)、横浜美術館の前の噴水で3人の小さな子供たちに「ミスト(噴水による霧)」を浴びさせていた若い5人家族、早朝港の散歩道を走るミドルエイジの男性の笑顔など、みんなが楽しげで、私は何だかとっても嬉しく「Happy」で、ことあるごとにこの気分を話しています。

「自己主張と自己表現過多」ともいうべき米国社会に14年間暮らしていて、ちょっと忘れていた「日本の控えめな優しさと思いやり」を思い出し、さらに1人1人の社会における人間としての質の高さにすっかり感動しています。普段は滅多に行けない私の従兄弟たちが経営する焼き鳥屋「おおしば(拝島2店、福生、東中上と4店あります)」にも、夫と母と3人で出かけ、座敷で胡坐をかきながら、焼き鳥をほおばり、サワーを飲んで、だんだん日本の「人の顔が見えてきました」。

短期間の出張やビジネスミーティングだけではわかりにくい、日本人の底力と「たおやかな強さ」、さらに「日本の空気感」を感じることができて、今回の出張中、私の中の「日本人血中濃度」が久しぶりに高まりました。マーケターにとって最も重要なことは、こうした「空気感」の認識と把握、さらに数字には現われにくい「生活者の本音への直観力」です。またビジネス面では、講演や書籍発行に関連して多くの新しい人たちとお目にかかるチャンスが生まれ、、さらにその後オンライン上の講演や書籍に関するブログやコメントの鋭さによって、私はかなり刺激をうけています。

米国生活やオバマ政権に関して、山ほど書くことがたまっていますが、まずは「ディスカバージャパン」の気分を最初に伝えたく、エントリしました。

画像

ポップカルチャーのアイコンの死:マイケル・ジャクソン情報は津波となってオンラインを襲った

6/29/2009

 
日本に来て早一週間、その間に書籍の発行が始まり、書籍のプロモーション用のYouTubeのヴィデオ撮影、宣伝会議の編集長によるインタビュー、夫の引越しの手伝い、公私ともども様々な方たちとの大切な会食など、息つく暇もなく毎日が過ぎています。今日の午後、やっとホテルに入り、明日の日経NETMarketingのシンポジウムの特別セミナーの基調講演の準備に注力します。
その間、米国では、ファラ・フォーセットが亡くなり、さらにマイケル・ジャクソンが急死するという、ポップカルチャーのアイコン的な存在の死亡が伝えられています。さらに今日は、米国のインフォマーシャルのアイコン的存在であるBilly Mays(50歳)が急死したというニュースがありました。彼は、「Pitchman(ピッチマン)」と呼ばれるTVショッピングで製品を売り込んで多くのベストセラー製品を生み出した有名な人物です。死因は不明ですが、人の運命とは確かに明日をも知れないと実感します。

日本でCNNとかBBCを見ると、マイケルの死に関しては、「ブタのインフルエンザ騒動」と同様な感じで、朝から晩まで報道していますが、私も夫もマスメディアのこの極端な対応に対して、かなり冷ややかに見ています。確かに彼はポップカルチャーの巨星ですが、彼の後半生は幼児への性的な虐待や奇行、過激な整形手術、巨額の負債とか、実にタブロイドメディア的なアイコンで、なんともやりきれないものでした。メディアもあれほど彼に批判的であったにもかかわらず、彼のセンセーショナルな死に関しては、手のひらを返したように報道しているのを見て、「やれやれ」という感じです。

マイケルの死亡がオンラインに流れた瞬間から、Twitter、Facebook、芸能関係のサイト、ニュースメディアは、一時極端にアクセスしにくくなり、21世紀のオンラインユーザの関心が津波級になった時の怖さを、オンラインメディアは実感したようです。マイケルはグローバルなポップカルチャーのアイコンですので、全世界からアクセスがあり、そのモメンタムは、サイトのキャパを越えたようです。今後もこの手のことは起こるので、ライフラインでユーティリティとなっているオンラインは、ますますそのスケールと重要性を実感します。

YouTubeセンセーション④「Susan Boyle(スーザン・ボイル)のヴィデオ」は一週間半で1億回のビュー

4/21/2009

 
今朝のWired.comの記事によれば、スーザン・ボイルのヴィデオは、アップロードされているすべてのヴィデオを合計すると1億回のビューを達成したということです。メインのヴィデオでも、すでに3678万6444回(4月21日午前11時現在)のビューですから、類似のヴィデオをたしあげれば1億回のビューも納得です。

しかし、短期間でここまでグローバルにバイラル化するとは、15日に初めて私がスーザンのヴィデオをエントリした時には、予想できませんでした。Wired.comの記事によれば、今までのYouTubeのビュー(視聴)の最高記録は、カナダのシンガーソングライターのAvril Lavigneの「Girlfriend」で、1億1800万回に達するまでに、2年以上かかったということです。この記録を、たった一週間半で打ち破ったスーザンは、まさに衝撃のグローバルデビューを飾ったといえます。

ただし、彼女はこの1億回の視聴によって、プロの歌手であるLavigneのように、YouTubeとレコードレーベルの売り上げ配分のよって、200万ドル(2億円)を得るといった、金銭的なアレンジメントがなされていないので、今のところ収入はゼロです。また、オーディション番組の「Britain's Got Talent」の予選を通過しただけなので、オーディションに勝ち抜いて、優勝金額10万ポンド(1400万円)を獲得という保証もなく、このグローバルデビューの未来は、まだ混沌としています。でも、彼女の知名度はすでにグローバルですし、オーディションで破れても、プロの歌手となる機会がさまざまなカタチで待っているとので、音楽を追求したい彼女の願いはかなったといえます。

このエントリをし始めて、私のブログでは非常に珍しいことですが、一般の方や知人からもコメントやトラックバックが入り、日本でもスーザンが大きく報道されていることを知って、情報の普及度を改めて実感しています。多分、スーザンのストーリーは、誰でも嬉しくなる話ですし、みんなが思わず応援したくなる人なので、「Britain's Got Talent」の視聴率とYouTubeのビューは、今後もうなぎのぼりに上昇することは十分予測できます。

Ashton Kutcher(アシュトン・クゥチャー)がCNNに勝った「Twitterのフォロワーズ100万人獲得」のアップデイト

4/18/2009

 
昨日は、全米の女性たちの間で、ある意味で最も影響力のあるTVのトークショウのホステスのOprah Winfrey(オプラ・ウィンフィリー)が、ついにTweeple(Twitterを使う人)となりました。彼女は、番組の中で初めて「Tweet(ポスティング)」して、大いに話題となっています。これで、「Twitter」のメインストリームの浸透は加速度が増すと思います。

昨日エントリしたAshton Kutcher(アシュトン・クゥチャー)が、CNNに勝った「史上初のTwitter100万人のフォロワーズ獲得レース」は、上述のオプラのTweetと同様に、かなりの話題です。アシュトンは、100万人達成の瞬間を、UStream.TVに、ライブの実況中継風のヴィデオで挙げています。ヴィデオの中で、この勝利を達成した時の公約であった「Malaria No More」財団に、10万ドル(1000万円)を寄付するためのチェックを切って、人々に寄付を呼びかけています。

アシュトンは、「We can and will create our media. We can and will broadcast our media. We can and will censor our own media ourselves. We are over a million.」と、強力なケーブルネットワークのCNNへの勝利を宣言しました(現在は117万3324人のフォロワーズ)。ただし、彼のこの宣言は、あくまでも俳優として著名なアシュトンだから出来たことで、個人がCNNを超えて短期間で100万人のフォロワーズを集めることは、中々容易に出来ることではありません。

昨日からTwitterを始めたオプラは、莫大な数の熱狂的なファンを抱えるので、100万人という数の獲得にはそんなに時間がかからないと思います。ただし、その場合も「Tweet」の中身が問題となってくると思います。アシュトンの場合も、「Casue(社会貢献)」を目的としたレースだったので、多くの参加者を巻き込むことが出来ましたが、そうした内容に誰が耳を傾けるかが、これが今後のポイントとなります。

Twitterをすることによって、どこまで「Value(価値)」をフォロワーズに与えられるか、これが数の大きさを超えて、Twitterを語るときに、重要な基準だと思います。


<<Previous
Forward>>

    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

    Archives

    May 2020
    April 2020
    March 2020
    January 2020
    November 2019
    August 2019
    November 2016
    October 2016
    May 2016
    April 2016
    January 2016
    December 2015
    August 2015
    July 2015
    June 2015
    May 2015
    December 2014
    November 2014
    January 2013
    November 2012
    August 2012
    May 2012
    December 2011
    November 2011
    October 2011
    August 2011
    May 2011
    April 2011
    March 2011
    January 2011
    November 2010
    October 2010
    September 2010
    August 2010
    July 2010
    June 2010
    May 2010
    April 2010
    March 2010
    February 2010
    January 2010
    December 2009
    November 2009
    October 2009
    September 2009
    August 2009
    July 2009
    June 2009
    May 2009
    April 2009
    March 2009
    February 2009
    January 2009
    December 2008
    November 2008
    October 2008
    September 2008
    August 2008
    July 2008
    June 2008
    May 2008
    April 2008
    March 2008
    February 2008
    January 2008
    December 2007
    November 2007
    October 2007
    September 2007
    August 2007
    July 2007
    June 2007
    May 2007
    April 2007
    March 2007
    February 2007
    January 2007
    December 2006
    November 2006
    October 2006
    September 2006
    August 2006
    July 2006
    June 2006
    May 2006
    April 2006
    March 2006
    February 2006
    January 2006
    December 2005
    November 2005
    October 2005
    September 2005
    August 2005
    July 2005
    June 2005
    May 2005
    April 2005

    Categories

    All
    Book
    Business
    Culture
    Current Affairs
    Game
    Green : 環境・テクノロジー
    Healthy Life
    Influencer
    JaM Media
    Marketing
    Movie
    Music
    Obama Watch
    Online
    Politics
    Religion
    SNS
    Sports
    Technology
    Travel
    TV
    Twitter
    WOM (Word Of Mouth)

Proudly powered by Weebly